いやもう・・・・噛みくだくのに苦労した本。伊賀の固焼きなみに硬かった。語り口は平易ですがちょっと読んでは考え、ちょっと読んでは考え・・・。示唆に富む本でございました。書かれたのが1970年代。学歴のインフレはさらに悪化してますがそういえば日本で大学修士・博士プーの話までよく嘆かれるのに、そこまで学歴を積み上げるメリット・デメリットって真剣に論議されませんね。「とりあえず」勉強するのはいいこと、大学は出とけ、という風潮で本当に自分の送りたい人生にそのディプローマは必要なのか、ということを考えさせない。今頃初めてそれを真剣に考えました。遅い。著者は各国でその無目的学歴インフレをいやというほど見てるのでそれに対する答えとして中国的文革のほうにシンパシーをつい感じてしまうのはわかりますけど、彼らが敵視するのはまさにあなたみたいな人ですって。毛沢東語録の批判もできない社会で生きるとまた意見は変わりますよ。できれば教育そのものに価値を見出す文化圏でその潜在的価値を検討して欲しかった気もする。読む価値はあります。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会系
- 感想投稿日 : 2010年5月6日
- 読了日 : 2010年5月6日
- 本棚登録日 : 2010年5月6日
みんなの感想をみる